魁!!!歴史塾

歴史といっても、年号や人名の知識を覚えるものではありません。

 学校では習わなかったような歴史の考え方を学び、今の生き方を考えるきっかけになるような話し合いの場です。
月1回、Yol Cafe Froschにて開催しています。

第67回『連句、連歌、俳諧の歴史』

柏まちなかカレッジの魁!!!歴史塾「連歌、俳諧、連句ーその歴史と妄想」を開催いたしました。
さんを先生に迎え、話し合いました。

連句とは、輪になって参加者みんなで作り上げる詩歌です。
「一揆」に通じる、日本中世の文化の典型スタイルです。

周到にご準備してくださった山中さんが、その内容を説明し終えた後、塾生たちの質問に対して、真剣に答えていただきながら、情熱あふれる持論を展開していただきました。
素晴らしい会でした。

連句の中興の祖である東明雅さんは柏にお住まいになられていて、東さんの創設した柏連句会は今でも続いています。
私も一度、参加させていただきましたが、ぜひ、また参加して励みたいと思います。


第66回『カクレキリシタンと日本人の信仰』

昨夜は、柏まちなかカレッジの第66回 魁!!!歴史塾でした。

2018年7月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)が世界文化遺産登録されたことをうけ、テーマは「カクレキリシタンと日本人の信仰」に話し合いました。

 

キリスト教が禁じられている中で、長崎と天草地方において日本の伝統的宗教や一般社会と共生しながら信仰を続けた潜伏キリシタンの信仰継続にかかわる伝統のあかしとなる遺産群として、島原・天草一揆の舞台だった原城跡や信仰を集めた離島も含む集落や集落跡、潜伏キリシタンが宣教師に信仰を告白した大浦天主堂など、12の構成資産すべてに「顕著な普遍的価値がある」と認められた。

 

ところで、「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」の違いは何か?

 

カクレキリシタンは隠れていなかったこと、キリスト教解禁以降の今でもカクレキリシタンの信仰が続いていること、カクレキリシタンの信仰はキリスト教ではないことなど、宮崎賢太郎氏の研究をご紹介しながら説明しました。

 

信仰や歴史は、複雑でデリケートなテーマです。

しかし、観光資源としてわかりやすく、「仏教を隠れ蓑に、キリスト教の信仰を守り抜いた悲劇の物語をイメージ」と、安易に説明しやすいものへと形骸化していくことを懸念しています。

 

カクレキリシタンの信仰を考えることで、日本人の信仰や文化を考えることにもなりました。仏教の理解、死生観、アジアのキリスト教など、話し合うことができました。

 

いつも参加してくれる塾生、久々の塾生、参加できないけれどオンラインで聴いている塾生、初めての参加者、遠巻きに眺めているお客さんやネット上でのぞいてくれた人たちと、一緒に語り合いました。

僧侶も、クリスチャンもいました。

 

一般的に、宗教などを話し合うことは避けるほうが無難と考えられがちです。

こうして宗教や信仰についてもオープンに話し合えたことは、柏まちなかカレッジでは、安心して対話できる場を築くことに力を入れてきた成果の一つだと思います。

2018/08/24

 


第65回『いま、敗者の生き様に学ぶこと〜名こそ惜けれ』(2018/07/18)

第65回『いま、敗者の生き様に学ぶこと〜名こそ惜けれ』(2018/07/18)

 

日本人は、どこか敗者に魅せられる傾向にあるようです。 勝ち負けの基準は様々ですし、そもそも歴史自体が後世の解釈が入るので難しいのですが、個人的旅の経験や大河ドラマの歴代視聴率一覧などから参加者のトークが展開。

平将門、石田三成、千利休、平家物語、勝海舟、吉川経家、黒田官兵衛、真田幸村などへの共感が語られました。

 

続いて、日大アメフト部のタックル事件、松井秀喜の敬遠などの話題から日本人のモラル、「恥」、「世間さま」の概念などの話題に及びましたが、モラルのルーツを探るところで時間切れ。

 

話は時に、日本人と「性」など際どい話題に脱線しつつ終始盛り上がりました。

木津さんによる遠野のわらべ歌の披露は胸を打ちました。「鎌倉の武士の世を耐え、力強く生きていこう」と、時に暗喩を交えた歌の温かさには、名もなき日本人たちの知恵やしたたかさが宿っているように思えるのでした。

各人の価値が多分に現れる歴史テーマ・トークは面白い。これもまた魁!!!歴史塾のひとつの学びの形です。(魁!!!歴史塾番頭 執筆)


第64回『西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか』

64回目となる今回は、『西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか』の著者である仁科邦男さんをお招きしてお話をお聞きしました。

 元新聞記者の仁科さんは、何でそんなことまで知っているのだろうということまで、徹底的に資料を調べています。

 

「犬」という切り口に歴史を紐解いていくスタイルで、独自の境地を確立されています。

これまでの説では踏み込めなかった部分も、犬から見た歴史で解明されています。

仁科さんが、犬への愛はもちろん、今回は西郷さんにも魅かれているのが伝わってきました。

 

アカデミックな歴史学では到達できない境地を、仁科先生は在野の研究者が独自の視点で、アイデアをお示しされています。

柏まちなかカレッジでお話し頂けること、本当にありがたいです。

 

これまで、柏まちなかカレッジにて、「犬と忠臣蔵」と「江戸のゴミと犬のクソ」についてもお話し頂きましたので、今回で3回目です。    

次は、現在執筆中の徳川綱吉の生類憐みの令でのお犬様をテーマにお話しをお願い致しました。年明けくらいになるでしょうか。

 

みなさん、お楽しみに。